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PreDomは、タンパク質立体構造分類データベース(SCOPCATH)に登録されている構造ドメインのドメイン-ドメイン相互作用面を収集したデータベースであるDiDに基づいて、ドメインインターフェースの予測、およびマルチドメインタンパク質の全体構造の予測をおこなうWebツールです。


PreDom:DiDについて

SCOP または CATH に定義されているドメインに基づいてタンパク質の立体構造を分割し、ドメインとドメインの相互作用面をAccessible Surface Area (ASA) の差 (Δ ASA > 1 Å2) に基づいて同定した結果を収集したデータベースです。

DiDでは、ドメイン-ドメイン相互作用面の中で、分割前のタンパク質立体構造においては内部に埋まっており (relative ASA < 0.1) 、 ドメインに分割すると表面に露出する相互作用残基をコア相互作用残基と定義し、それ以外の周辺相互作用残基と区別して表示しています。


PreDom:Interfaceについて

ドメインの立体構造にもとづいて、2種類のアルゴリズムによりドメインインターフェースを構成するアミノ酸残基を予測します。

  • KIP: 指定したドメインと相同性の高い既知ドメイン(SCOP また は CATH)を検索し、既知ドメインにおけるドメイン間相互作用残基をユーザーの>ドメインに射影することで、ドメイン間相互作用部位を予測します。
  • IP: ドメインインターフェースを解析することで得られたインターフェース傾向値を用いて、相互作用部位を予測します。

PreDom:Structureについて

個々のドメインの立体構造にもとづいて、マルチドメインタンパク質の全体構造の予測を行います。

  • もし既に相同なマルチドメインタンパク質の全体構造が決定している場合は、MODELLERを使ったホモロジーモデリングにより全体構造の予測を行います。
  • もし相同なマルチドメインタンパク質の全体構造が決定していない場合は、個々のドメインの立体構造をホモロジーモデリングにより予測します。それにより、2つのドメインの構造が得られた場合は、以下の様な手順でそれらの全体構造を予測します。
    1. ZDOCKによるドッキングシミュレーションにより、2つのドメインの配向の候補構造を複数作成します。
    2. それぞれのドメインの相互作用残基をPreDom:Interfaceと同様のアルゴリズムで予測します。
    3. ドメインをつなぐリンカーの残基長から、ドメインの末端間距離を推定します。
    4. ドッキングシミュレーションのスコア、予測されたドメイン間相互作用残基間の接触残基数、ドメイン末端間の尤もらしさをスコア化し、そのスコアをもとに候補構造の中から最終的な全体構造を選択します。

PreDom:Evtraceについて

タンパク質の進化情報と立体構造情報にもとづいて、タンパク質の機能部位予測を行います。

  1. BLASTによる相同性検索により、指定したタンパク質との相同タンパク質を収集します。
  2. 収集した相同タンパク質について、NJ法により系統樹を作成します。
  3. 作成した系統樹にもとづいて、指定した配列一致度によりグループ化を行います。
  4. 収集したタンパク質全体で保存されている部位、および、グループの中で指定した割合で保存されている部位を抽出します。
  5. 抽出された部位の中で、タンパク質立体構造の表面で空間的に集中して存在しているものを同定します。

以上の解析により得られた保存残基、および、タンパク質表面上で空間的に集中している保存残基が機能部位の候補となります。


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謝辞

このWebサイトの初期バージョンは文部科学省のターゲットタンパク研究プログラムにより支援を受けて開発しました。現在は、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構 (AMED) 創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業 創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム (BINDS) の支援により開発を続けています。